導入事例 野崎調剤薬局様

CASE19

患者様とのコミュニケーションを大切にするために

神奈川県海老名市
内科 皮膚科 他科 医院 クリニック 地域密着
取材日:2015年05月

精確な調剤のためには、監査のみならず患者様とのコミュニケーションが重要だ。調剤業務の流れに組み込むことが容易である事から、「野崎調剤薬局」ではauditの導入を決めた。監査にかける労力、時間を軽減し、コミュニケーションの時間を確保している。

野崎調剤薬局
代表取締役 野崎 芳雄 様(薬剤師)

「形」に残る監査で不安を払拭

奈良時代には相模国の国分寺が置かれた神奈川県海老名市。近年は東京、横浜のベッドタウンとして注目を集め、東名高速道路で最大のサービスエリアがある事でも知られている。当地の閑静な住宅街に「野崎調剤薬局(代表取締役 野崎 芳雄 様/薬局長)」はある。一帯は内科、皮膚科、眼科等のクリニックが立ち並び、地域の健康拠点となっている。

薬局経営を脅かす調剤過誤、同薬局 代表取締役の野崎 芳雄 薬局長は長年にわたりその防止に注力してきた。同薬局では監査でのダブルチェックに加え、投薬時にも患者様と会話をする中で薬剤の確認を行なっている。同氏は患者様と十分な会話をする事の重要性を強調する。医師が処方薬を変更したという情報を患者様から聞き出したものの、その処方箋を確認すると薬剤が変更されていないという事もある。このような処方箋の記載ミスは薬の取違いと異なり、患者様とコミュニケーションを取らないと発見できないものだ。そもそも、正確な調剤のためにはダブルチェックを行なう等多くの時間をかけなくてはいけないが、加えて患者様とのコミュニケーションの時間も確保しなくてはならないのだ。

投薬の様子

その為、画像による調剤監査システムが登場した当時も強く関心を持っていたという。しかし様々なシステムの導入を検討したが、複雑な操作が必要な事や高額な導入コストから採用を見送ってきた。今回同氏は、処方箋単位で薬種と数量の監査が可能な上、現状の調剤業務の流れに組込む事が容易である事から、十分導入効果を出せると判断し、調剤監査システムauditの導入を決めた。

同薬局では、ピッキングした薬剤師が自ら目視で薬剤の一次監査を行った後、投薬を行なう薬剤師が最終監査を行なうダブルチェックの体制を整えていた。audit導入により、ピッキングした薬剤師の目視監査を同システムによる監査に変更したのだ。「薬剤師が完璧な監査を行なうには多くの時間を要しその間集中力を保ち続ける必要がある。その上薬剤師も人である以上ヒューマンエラーを起こす可能性を払拭する事はできない。同システムにより、監査にかける労力、時間ともに軽減できた」と同氏は導入効果を語る。その上で同氏は、あくまで監査は薬剤師責任のもとで行う業務であるが、その薬剤師の業務を手助けするauditを「パワーアシスト付き自転車」に例え同システムが効果的なパワーを薬剤師に与えてくれると強調した。

auditを操作する野崎淳一氏

更にaudit導入以前は「過誤への不安は常に心の隅に潜んでいて、ストレスを抱えて調剤業務に携わっていた」とこれまでの調剤環境の問題点を指摘した。「たとえ患者様の勘違いでも、薬が足りなければ薬局の調剤過誤を疑われてしまう。患者様に対してそれを釈明する強い証拠となる物が無い為に、慎重な監査を心掛けていても完全に不安を払拭する事は難しかった」と同薬局の野崎淳一薬剤師。しかし同システム導入後は、監査結果データと監査時の画像データを自動保存できるようになった。監査結果を「形」として残せる事で「安心できるようになった」と同氏は語った。

「日本地域薬局薬学会」の会長を務める野崎 芳雄氏。かかりつけ薬局の役割を真剣に考え、これからも地域で求められる薬局の姿を追求する。