導入事例 ヤマザワ調剤薬局 宮城野原店様

CASE30

総合病院の難しい処方でこそ効果を実感

仙台市宮城野区
総合病院 門前薬局
取材日:2016年11月

auditを導入することでスタッフの経験に依存しない環境を構築した「ヤマザワ調剤薬局 宮城野原店」。総合病院の複雑な処方箋さえ過誤がゼロになった。「種類の多い処方ほど効果を発揮する」とその効果を実感している。

ヤマザワ調剤薬局 宮城野原店
薬局長 会田 道玄 様

複雑な処方箋さえ過誤がゼロに

東北の方には馴染みの深いスーパーヤマザワの関連会社で、山形市や仙台市を中心に調剤薬局およびドラッグストアを展開する「株式会社ヤマザワ薬品」。698床を有する総合病院・国立病院機構仙台医療センターの門前薬局である「ヤマザワ調剤薬局 宮城野原店(会田 道玄 薬局長)」では、auditを活用することで監査の精度を上げ、過誤を無くした。

薬剤師7名、調剤事務3名の体制で、一日約60~90枚の処方箋を受けている同薬局。約1,600種類の医薬品を在庫し、隣接する総合病院からの幅広い処方に対応している。応需する処方箋のうち総合病院からが9割を占めており、複雑な処方箋も多い。1枚調剤するのに30分以上かかるものも少なくないそうだ。

受付と投薬カウンター

同店舗ではかねてよりリスクマネジメントに取り組んできた。複雑な処方箋を多く取り扱うため知識と経験が要求される。不慣れな薬剤師にはミスが多く見受けられていたそうだ。また、過誤の傾向を分析するとうっかりミスによるものが大半を占めており、中でもジェネリック変更が一番多く、次に入力、数量、規格と続いている。処方の変更や入力が煩雑であることがうかがえる。一文字監査などマンパワーによる過誤対策も講じてきたが、十分な効果を得られず限界を感じていた。
「人の問題ではなく、システムの問題」と会田氏は機械による監査の必要性を語る。他監査システムやピッキングシステムも検討したが、限られた時間のなかで調剤するには現実的ではなかった。情報収集を続け、最終的に「調剤監査システム audit」の導入を決めた。複数の薬剤の種類と数量を一度にチェックできる運用の簡便さが決め手となった。導入後、人と機械で必ずダブルチェックをすることで、過誤はゼロになった。薬剤師のミスのみならず事務員のミスも検出できるauditは、「種類の多い処方ほど効果を発揮する」と同氏は言う。

同店舗における調剤過誤内容の分析

必要なのはスタッフの経験に左右されない環境

知識と経験が求められる一方で、総合病院前のため様々な診療科の処方を経験できるとの理由から新人や学生の研修場所にも指定されている同店舗。また、チェーン薬局であるため、人員の入れ替わりもある。同店舗では勤務年数が短いほどミスを起こす比率が高くなっている。また、意外なデータだが、忙しいときはミスが少ないが、そうでないときには気が抜けるためかミスが多くなる傾向があった。管理者がすべての処方に目を通すことは不可能なため、システムを導入することでスタッフの知識や経験に依存しない環境をつくる必要がある。同店舗では、auditを活用することでそれを実現した。ミスに対する不安はスタッフの精神的負担に直結する。「間違えない」ことで、クレーム対応が少なくなった。また、「監査の記録が自動で残る」ことでお問合せにも安心して対応でき、更に履歴写真をお見せすることで患者様にも納得して貰いやすくなった。スタッフの精神的負担が大幅に軽減されたそうだ。事務員を含め全員一致で導入のメリットの大きさを高く評価したとのことだ。今ではauditはスタッフの 「心の拠り所」となり、「薬剤師にもやさしい薬局」となったとのことだ。

薬剤師の業務は対物から対人にシフトしており、求められる職能は年々拡大している。そうした変化に対応できる薬剤師を育てることも大切にしている同薬局は、これからも当地の健康を支え続けていくだろう。

調剤室内の様子