導入事例 株式会社ケンユウ様

CASE35

『薬局本来の仕事』に注力、導入効果を実感

新潟県新潟市
地域密着 多店舗展開 効率化・合理化
取材日:2018年5月

患者様への安全な医療の提供のみならずスタッフが抱える悩み・不安を取り除きたいと考えauditを導入。
医薬品の取り違いミスを未然に防ぐなどヒヤリハットがほぼ『0』になったと導入効果を実感。
auditを活用することにより、患者様と話す時間をつくりだすなど薬局本来の仕事に注力し、より良いサービスを提供し続けている。

株式会社ケンユウ
代表取締役 原 正 様(薬剤師)
ケンユウ青山薬局
室橋 希 様(薬剤師)

大切なスタッフのために

日本一長い川信濃川を取り巻く新潟市。近代より水陸交通の要衝として発展し、2007年には本州日本海側唯一の政令指定都市となった。新潟港開港以降、同市の行政・金融・商業の中心地であるのが古町だ。当時の面影が残る街並みは市民や観光客より人気を集めている。そんな古町のほど近くに本社を構える株式会社ケンユウ(代表取締役 原 正 氏)は、この地で住民の健康を支えている。

病院薬剤師として勤務していた原氏。1997年に同院のドクターの開業に合わせ、その門前に第一号店「浜浦町薬局」を開局した。地域の『健康ともだち』でありたいとの想いを込め、社名には『ケンユウ』を掲げた。現在では新潟市内に7店舗(2018年7月時点)を展開している。「処方箋を持たずとも立ち寄り相談ができる薬局にしたい」と、開局時よりOTC医薬品の取り扱いや物販も行ってきた。同氏が理想とするのは親類が営んでいた『町の薬局』で、来局する方と近しい距離で相談に乗る姿であった。開局当初より、患者様の悩みに寄り添い薬のプロとして地域から信頼される薬局づくりに取り組んできた。

受付と投薬カウンター

「自分のもとで働いてくれるスタッフを大切に思う」と温かい眼差しで語る原氏。スタッフが抱える悩み・不安を取り除きたいと考えているそうだ。auditに先駆け散剤鑑査システムを導入した想いに、患者様への安全な医療の提供のみならずスタッフの精神面のケアがあったという。錠剤についても同様で、類似薬を調剤する際や患者様からの問合せの際に不安を抱くスタッフの姿を目にし、監査システムの必要性を感じたとのことだ。また、可能な限り調剤ミスを『0』に近づけたいとする折、「誰にとっても簡単に使用できるシステムを選定することが重要」との考えに至ったそうだ。自信がある人ほどシステムを使用しないタイミングがあり、そのときにミスが起こることを危惧していたからだという。「それまでの仕事の流れを変えずに、かつ全員が使えるシステムでなければ根本的な解決にならない」と語気を強める同氏。学会見学やシステムを使用している薬局を見学するなど慎重に検討を重ね、容易に操作できかつ精確さを実現するauditの導入を決めた。

auditを使用する室橋氏

導入後、特に効果を実感しているのは、本部に報告されるヒヤリハットがほぼ『0』になったという事実だ。「ケンユウ 青山薬局」薬局長の室橋氏は「ジェネリック医薬品と先発薬の取り違い等、ミスを未然に防ぐことができるようになった」と笑顔で語る。また、月に数回あるという患者様からの問合せ時も、「監査履歴を提示することで納得してもらいやすくなった」と 導入の効果を実感している。さらに、レセコンの入力ミスを発見するなど、当初想定していなかった効果も実感しており、本部店舗ともにaudit導入による安全性・安心 感の高まりを評価している。

2018年度調剤報酬改定において、薬学的管理料および指導料に高い点数が設定されるなか「患者様と話す時間を増やし、薬歴をしっかり書いて残すことがより重要になる」と語る原氏。同社ではauditや他のシステムを活用することによりこれらの時間をつくりだす工夫を図っている。最後に同氏は「今まで以上に質を高めながら、より良いサービスを提供し続けたい」と締めくくった。

『あなたの町の健康ともだち』というキャッチフレーズの通り、地域に親しまれている同社。創業20周年を迎えた2018年、同社は株式会社化に伴い、勉強会や講演会を開催するなど地域へのさらなる貢献を意識し様々な取り組みを行っている。創業当時の想いを内に秘め これからも住民の健康に寄り添い続ける。

調剤室内の様子